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原作とは完全別物!? ディープすぎる『聖闘士星矢』派生マンガの世界

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『聖闘士星矢 1』(集英社)
『聖闘士星矢』が実写映画化される――先日、こんなニュースが世間を騒がせました。あらためて紹介するまでもありませんが、『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』とは「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1985~90年まで連載されていた、車田正美先生による大ヒットマンガです。  リアルタイムで星矢を読んでいた、僕と同じぐらいの世代の皆さんの中には、30年の時を経て、なぜいま実写化なのか? と思う方も多いかもしれませんが、実は『聖闘士星矢』はスピンオフ作品によって、今もなお大変アツい状況なのです。今回は、そんな『聖闘士星矢』スピンオフマンガの世界をご紹介しましょう。 『聖闘士星矢』はギリシア神話をモチーフとした格闘マンガで、聖闘士(セイント)と呼ばれる少年たちが、星座を冠した聖衣(クロス)という鎧を身にまとって闘います。聖闘士には青銅聖闘士(ブロンズセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)、黄金聖闘士(ゴールドセイント)という階級があり、主人公のペガサス星矢やその仲間であるドラゴン紫龍、キグナス氷河、アンドロメダ瞬たちは、最下層の青銅聖闘士でありながら、友情・努力・勝利というジャンプ的ご都合主義を武器に、本来は絶対にかなわないはずの白銀聖闘士、黄金聖闘士を打ち倒していくのです。  作品中で一番の人気コンテンツといえるのが、12星座を冠した黄金聖闘士たち。全員が最強レベルの戦闘力を持つというのもさることながら、どいつもこいつもキャラのクセが強すぎるのが魅力です。蟹座はクズ野郎だし、魚座はオカマ野郎だし、牡牛座はデブだし、天秤座はジジイだし、双子座は二重人格だし……とにかく個性の宝庫。聖闘士星矢ブーム全盛期の頃、黄金聖闘士のキャラを自分の星座になぞらえるのがはやったため、蟹座や魚座の人は非常に肩身が狭かったのです。ちなみに僕は魚座ですが、3月生まれの自分をこれほど呪ったことはありませんでした。  そんな一世を風靡した聖闘士星矢のスピンオフマンガですが、現在これだけの作品が出ています。 『聖闘士星矢 EPISODE.G』『聖闘士星矢 EPISODE.G アサシン』『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 外伝』『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』『聖闘士星矢 セインティア翔』『聖闘士星矢Ω』  いかがでしょう? 皆さんの想像以上の作品数ではないでしょうか。しかも、これらの作品の多くが長期連載となっているのです。すごいことですね。  ちなみに派生作品のほとんどは車田先生の作画ではない上に、やたらと黄金聖闘士推しなのが特徴です。タイトルに冠されている星矢に関しては、ほぼ脇役扱い、白銀聖闘士に至っては完全に空気です。  というわけで、スピンオフ作品の中で特に読んでおくべき作品をピックアップしてご紹介しましょう。 ■『聖闘士星矢 EPISODE.G』(原作:車田正美 作画:岡田芽武)
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『聖闘士星矢EPISODE.G 1』(秋田書店)
 聖闘士星矢スピンオフマンガの元祖にして、ちょっとスピンさせすぎだろという仕上がりなのがこの『エピG』です。  Gとはもちろん、みんな大好き黄金聖闘士(ゴールドセイント)のG。黄金聖闘士・獅子座のアイオリアが主人公の作品なのですが、そういった設定以前に画が原作とは完全に別物になっているのがツッコミどころです。典型的少年マンガな車田画の原作に対して『エピG』では、目のパーツが顔の半分を占め、体が枝のようにひょろひょろのガリもやしな聖闘士ばかりです。正直、最初は違和感しかないのですが、これに慣れるとクセになってきます。 ■聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話(原作:車田正美 作画:手代木史織)
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『聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話 1』(秋田書店)
『THE LOST CANVAS~』(通称LC)も少女マンガタッチのため車田先生の画の雰囲気とは違いますが、『エピG』ほどの強烈な違和感はなくマイルドで安心して読むことができます。落ち着いて読める、星矢スピンオフマンガといえましょう。  ストーリーはやはり黄金聖闘士がメインですが、原作より243年も昔の前世代の聖闘士たちが活躍する作品となっています。聖闘士は歌舞伎役者の襲名制のごとく、星座ごとに世代交代が行われるのです。例えば魚座のオカマ野郎・アフロディーテの前にもちゃんと先代、先々代の魚座の聖闘士がいて代々受け継がれてきたのです。三代目 J Soul Brothersみたいな感じでしょうか(微妙に違う?)。  ちなみに、よく似たタイトルの『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』(通称ND)という作品があるのですが、こちらは本家の車田先生が描いている正真正銘の星矢続編マンガのため、違和感は限りなくゼロです。当たり前ですが、やっぱり星矢には車田画が一番フィットします。 ■『聖闘士星矢 セインティア翔』(原作:車田正美 作画:久織ちまき)
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『聖闘士星矢セインティア翔 1』(秋田書店)
 元来、聖闘士は女人禁制、もし女子が聖闘士になるのであれば、仮面をかぶり、女であることを捨てなければならないという厳しい掟があります。原作では、魔鈴さんとかシャイナさんといった仮面をかぶった女聖闘士が悲劇のヒロインとして扱われていました。  しかし、このルールには例外がありましてな……というまさかの後付け設定により、顔出しした美少女聖闘士「聖闘少女(セインティア)」が大活躍するマンガが爆誕! セーラームーンのようなノリで楽しめます。 ■『聖闘士星矢 EPISODE.G アサシン』(原作:車田正美 作画:岡田芽武)
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『聖闘士星矢EPISODE.Gアサシン 1』(秋田書店)
 タイトルの通り、スピンオフ作品である『エピG』をさらにスピンオフさせて、もはやハンドスピナーみたいな回転力を誇る続編がこの『エピGアサシン』。前作をはるかに上回る超ヤバイ画で、最も異形の聖闘士星矢派生作品となっています。  画はとにかく過剰なまでにキラキラしています。豪華・全ページフルカラーでキラッキラ。キラキラしすぎて、読むのにブルーライトカット眼鏡が必要なレベルです。そして、設定がやたらと現代的。  バトルする場所が新宿西口の地下駐車場や池袋のサンシャイン近辺で、もはやギリシア感はゼロ。かつて活躍した聖闘士達は小宇宙(コスモ)が燃え尽きてしまったらしく、アンドロメダ瞬は練馬で医者やってるし、キグナス氷河は墨田区の飲み屋でバーテンをやっています。星矢は赤いパーカーのフードをかぶったメンタル病みまくりの兄ちゃんだし、「先生が来てくれるなンてッ!!」とか小池一夫風のセリフ回しまで出てくるし……。タイトルでは星矢のスピンオフ作品だとわかっていても、脳がしばらくそうだと認識できません。 ***  というわけで、ディープすぎる聖闘士星矢スピンオフ作品の世界をご紹介しました。かつて「ジャンプ」で『聖闘士星矢』を愛読していた皆さんも、当時を思い出しながら、星矢が今どれだけ進化しているか確かめてみてはいかがでしょうか?  そして、どうせ星矢スピンオフ作品に手を出すなら、スピンオフの究極系である『聖闘士星矢 EPISODE.G アサシン』まで、ぜひ読んでみてください。別物すぎて腰を抜かしますよ。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>) 「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから

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